hebiashi diary

てれび見の記録など。

「十三人の刺客」見てきました。

はい。先週に引き続き、またまたまた、映画を観てきました!
今日はメンズデーだったせいか、はたまた内容のせいか、男性率高め。私はシネコンのポイントカードを使って1000円で観たんですが、お得な1000円だったわーー!
ネタバレしてますので、畳みます!


まず、いきなりの内野さん切腹シーン。見事十字に腹かっ捌いてましたなー。
吾郎さんの暴虐シーンの数々は噂に漏れ聞こえていたのですが、眉ひとつ動かさずに淡々とやっていたのがむしろ怖かったですね。やってることは恐ろしいけど全然狂ってない(むしろ時代に合わない知性を持ってしまったことすら感じさせてる)ってのがまた怖い。稲垣吾郎という素材の面白さを十二分に引き出していたと思います。吾郎さん、テレビではまず無理なこういう仕事、面白かっただろうな〜。

演技者吾郎さんのことはひとまず措いておくとして、明石藩主斉韶(なりつぐ)、こいつは酷いやつですよー。谷村美月ちゃん、怖かったろうなぁ…。「だるま」については、観に行く前に聞いていたのでまだよかったです。以前、映画「西太后」での同様の処刑(ちなみにこれもフィクションだそうです)が話題になってましたが、宣伝で流れてた「甕から生気のない女の首がにょきっと出てる」映像はいつまでたっても生々しく憶えてますから…。いや、でもこれも、相当ショッキングな映像です。
あとは、間宮の家のものへの仕打ち…子役ちゃん、トラウマにならないか心配になってしまいます…。

で、彼と対極の存在だと私が思ったのは「十三人目」山の民・木賀小弥太。生命力に溢れ、ぴょんぴょん飛び跳ねまさに山猿そのものなワイルドさの中に垣間見える神聖にして侵すべからずな感じ…彼はいわゆる「人間」ではないのでは? 木曽の山中で難儀している一行の前に、まるで罠にかかった獣のような姿で現れた小弥太。彼を檻から解放したのは最後に生き残る新六郎(山田孝之)、小弥太の思い人ウパシと新六郎のつれあいお艶がともに吹石一恵であること、庄屋徳兵衛(岸部一徳)すら惚れ惚れとさせた巨根w、異常に丈夫なこと、そして不死の肉体…等など考え合わせると、やっぱり小弥太は木曽の山の神の化身で、恩返し&ほんの気まぐれで十二人に助力したに違いないと思うわけですよ。(八百万の)神々の世界からみれば、人間同士の諍いなど児戯に等しく、小弥太自身もそうともとれるような台詞を残して再び山に消えて行きますし。

他の出演者たちについてもひと言ずつ。
役所広司さん、市村正親さん、松本幸四郎さん、平幹二朗さん、松方弘樹さん、こちらの皆さんはヅラもばっちりハマるさすがの貫禄です。松方さんの流れるような殺陣は美事!カメラに対して身体の軸が全くブレないのが素晴らしいです。あと、平さん演じる土井大炊が新左(役所さん)に密命を下すところなど、肝心な一言を言わずに意図を伝えるという、きわめて日本的なやり取りが印象に残りました。
伊原剛志さん、沢村一樹さん、古田新太さん、六角精児さん、さすがにこのメンツの中では中堅どころとなってしまいますが、ずいぶん鍛錬されたんだろうなと思います。常軌を逸した戦闘の中、だんだん物狂いに取り憑かれていくような様子など鬼気迫るものが。光石研さんも敵方でしたがいい味出してました。
山田孝之くん、伊勢谷友介さん、波岡一喜さん、高岡蒼甫さん、近藤公園さん、石垣佑磨さん、窪田正孝くん。若手で、これだけ身体を張ってハードな役柄に挑んだことは、今後の俳優人生に大きなプラスになったに違いないですね。テレビドラマではヤンキーかチンピラ役が多い波岡さんですが、寡黙な男もいいじゃないですか。ヅラも似合ってたし、時代劇に向いてるかも。
 
最後に、これはホントに蛇足(ブログ名どおりw)ですけど、腐女子的にも美味しいポイントがいくつも散りばめられておりましたよ!小弥太と徳兵衛のシーンは、アレは牽制ですかねwwwでもそういう趣味の腐もいるからな〜〜、必ずしも牽制にはなりきってないかもしれないです。冬コミには女性向け「13assassins」本が大量に出そうな気がするわ〜〜。