hebiashi diary

てれび見の記録など。

2010年4月期ドラマまとめ。

あとは「月の恋人」を残すのみとなったので、まとめまーす。

やはり第一印象はズバリ当たっていて、今期一番はこれはもう誰が何と言っても「Mother」です。
5月に書いた記事の「視聴継続中」だったものはなんだかんだ言ってほぼ完走しました(「ヤンキー君とメガネちゃん」だけ落ちてしまいました)
面白かった順(というか視聴熱意が大きかった順)に並べてみます。

■Mother
日テレ水10枠は従来から渋い良作がよく放映される、いわば「ドラマ好きのための枠」とでもいった枠でして、フジ月9とはいろんな意味で対照的。今回はまた非常に重たいテーマ、深刻な内容の作品でした。俳優さんたちもみな実力のある方ばかりで本当に見応えがあった。田中裕子と高畑淳子の間で交わされる張りつめた緊張感、子役の芦田愛奈の(5歳とは思えない)芸達者ぶりと、彼女の自然な泣き顔(子どもって本当にああいう風に顔を歪めて泣くんだよなー、それがまた切ない)を引き出した演出、劇中ほとんど笑顔を見せることのなかった松雪泰子の美しい眉と尾野真千子の疲れた感じ。しっとりと落ち着いた色調の画面と繊細な照明、いかにも富裕層らしいたたずまいの鈴原家と対照的な道木家の荒廃(劇中にてこの荒廃に至るまでの経緯が描かれていたのも胸に迫った)などなど、様々な条件ががっちりと組み合ったからこそ生まれた作品だと思います。
最後、12年後の再会らしい映像が挟まれたが、そこに描かれた奈緒の後ろ姿が少しやつれていて、こうして感想を書いていると再びいろんな妄想が頭の中をめぐってしまいます。奈緒は、大好きで大切な実母からの「忘れなさい」という言葉とともに過去を自ら封印していたのだけど、その封印がはがれたことできっと自らの罪をも思い出してしまうんだろうな〜とか…。仁美のその後とか。妄想は尽きないわ〜〜!


■同窓会〜ラブ・アゲイン症候群
警察もの以外のテレ朝9時枠って、これまたちょっと変わった作品もかかる枠ですよねー。いやこれは全く予想外だったんだけど、そこそこ面白かったです。黒木瞳が「私には全く感情移入できない」タイプの女性を演じていました(まぁだいたい黒木瞳がやるような役には感情移入できないことのほうが多いのですが)
今回の役は、そう、まるで発言小町ランキング上位のツッコミどころ満載のトピ主みたいな(笑)…そう考えてみるとますますそう思えてきたわー!
主役はともかく、吹越満の怪演ぶりと斉藤由貴の貫禄にはちょっと惹かれました。


■八日目の蝉
チーム・バチスタ2 ジェネラル・ルージュの凱旋
警視庁失踪人捜査課
この辺はほぼ同じくらいの集中度かなあ。
八日目の蝉はMotherと似たような誘拐逃避行ものなのですが、動機は全然違うし、描きかたもどこかメルヘンチックと言うか…この主人公はまだ就学する前に逮捕されてしまったから、その辺りの現実的切迫感にもやや欠けたかも。
Motherで描かれた母性はいわば「(相手を思うゆえの)無償の愛」であったのに対して、こちらの母性の出発点は個人的な妄執に近く「母の業(ごう)」を描いたもののように思う。
チームバチスタは、西島さんとトオルちゃんがカッコよかったよ!という感じ。
カッコよかったと言えば日頃の2.5枚目ぶりをどこかに脱ぎ捨ててきた沢村一樹の高城も非常にカッコよかった!


チェイス国税査察官
絶対零度〜未解決事件特命捜査〜
タンブリング
■三代目明智小五郎〜今日も明智が殺される〜
■新参者
このへんは、ちょっと流し見になってしまったもの。でもそこそこ楽しかったと思う。
チェイスはこれまたドラマ好きには定番枠のNHK土曜9時ということで、とても渋く丁寧な作りのドラマでした。だがしかし動いてるお金の額が大きすぎて全くピンと来なかった(このへんが庶民の悲しさよ…)
絶対零度、コメディじゃない上戸彩がよかったです。全然臭そうに見えなかったけどね!
タンブリングはとにかく出演者たちの身体能力の高さ!俳優業って本当に大変だと思う。
三代目は田辺誠一のおとぼけコメディ。私、田辺さんのtwitterもフォローしてるんだけど、この明智とイメージ重なるかも(ということはご本人おとぼけ系なのか)
新参者はねー、これはもう肩すかし食らった感じ。あの大袈裟なBGMに見合わないウェットな内容、必要以上に怪しげに振る舞う阿部ちゃん、人情もの的な主題とは演出の方向がかみ合ってなかったのではないかと思いました。


<別枠>
■素直になれなくて
いや〜!なんといっても一番のネタ作品となったのは「twitterドラマ」と鳴り物入りで始まったのはいいけど実際はまったくtwitterらしくない「別の星のついったーだね…」とたくさんのつぶやき者を呆れさせた、マニフェスト詐欺みたいな本作でした(長っ!
話がどう転んでもいいようにとりあえず入れたと思われるフックがほとんど機能せず(一番の無駄はハル弟や教え子の薬物中毒問題…ドクターをヒーローにするためにしか機能してなかった。もっと別の偶然的フックでも全然よかったのではないか? あとはハルとナカジの異父兄妹疑惑、ピーちのリスカ癖も別になくてもよかったかもな)逆に多すぎたゆえに煩雑な印象、いやいやこれケータイ小説以下じゃね?という登場人物の行動のいい加減さ(愛だの永遠だの言ってあっさりタトゥー入れたりするし、堂々と不倫を正当化するとか)、とまあ褒めるところが非常に少ないのだけれど、そんな中で一服の清涼剤ともいえたのがリンダ(玉山鉄二)のナカジ(瑛太)に対する純愛。……と言うことはナニこれ「BLドラマ」だったのか。道理で切ることが出来なかったわけだ(腐アンテナ持ちゆえ…w) 
ただのセクハラ上司のように描かれていた編集長マリコ渡辺えり)の最終回における「本気だった」発言も、これはこれでちゃんと取り上げて絡めればとても面白いドラマになったと思うのになあ。
でもまあむしろいろいろ小ネタを出してくれていてしかも穴だらけなので、実はこういう作品、愛を感じれば二次創作にうってつけなのだ。愛を感じれば、だけど。
この設定だけで他の切り口はたくさんあるのに(特にtwitter絡みはねー。フジには電車男というネット系の名作があるのになぜこれは失敗したのか…理由はひとつしかないけどw)結局過去のドラマの焼き直しにしかできなかったのは…やっぱり、理由はひとつしかないと思うけど。


と、こんな感じでした。
7月期はどんなドラマを楽しめるかな〜〜。