hebiashi diary

てれび見の記録など。

夏休み映画2本。

こんにちは。毎日暑いです。夏の宴ではあまりの暑さと湿気で場内に雲ができたとかできなかったとか…

夏休みに入って映画2本観たのでちょこっと感想。
まずは今年のポケモン映画。
ムスメに付き合って何回か見てるんですけど、そのたびに「いかに途中眠らずにいられるか」との戦い状態になっていて、今年もどんなもんかな〜と少し不安でした。でもね。今年は何と眠らずに最後まで見られた!短編と中編の2本立てだったんだけど、どっちもちゃんと見た!ゲノセクトってかせきポケモンなんだけど、あのクリック音といい巣といいモデルはスズメバチなのかな?とか思いつつ。ほんでもって高島礼子さん声のミュウツー無双。今回のはまさにポケモンが主人公って感じで、人間キャラはほぼいつものメンバーだけだったので、物語もあまり凝ってないというか…ハッ、だから眠らずに見られたのかっ!?

もう1本は宮崎駿監督作品の「風立ちぬ」。こっちは一人で観に行きました。近くの席に父親(おじいちゃんかも)と小学校2〜3年生くらいの女の子が座ってたんだけど、様子から察するに彼女にはちょっと退屈だったみたい。
子供向けではないとかいろいろ言われているようだけれど、いわゆるジブリ的なキャラクターは出てこないし、主に描かれているのは男性主人公の「夢」と「思い」なので、ちょっと入り込みにくいのかも。

確かにいろんな意味でこれまでの宮崎駿作品とは違ったかも。初期の作品のような明快なわかりやすさはなく、最近の作品みたいに想像(妄想)の世界にどっぷりという感じでもない。というか…初期の作品は最初から異世界的なファンタジーだったけれど、最近は内省的というか、リアル界の奥にある心的ファンタジーっぽい。それと比べて本作はどうか?というと、圧倒的にリアル寄りで、リアルの中に、主人公の「現実的な」夢や思いが描写されている作品というか。単純に「面白い」かどうかという評価軸では評価できない、私小説のような文芸作品。私はこれ見て黒澤明監督の「夢」(1990年)を思い出しました。こちらのサイト(中段以降)に書かれてる「『型』を壊す」という言い方が本作にも当てはまってると思います。

主人公は、魂をしょっちゅう夢想世界へと飛ばしてるタイプの青年なんですが、その「周囲から浮いてる」感はよく伝わってきました。

先日、日テレでやってた映画宣伝番組で、主人公の声をやっていた庵野監督がこの映画について、「(宮崎監督が)やっと大人になった」みたいなことを語っていたけれど、さすがうまいこと言うなぁと思いましたよ。リアル寄りの表現、特にキャラへの芝居付けが本当にぎこちないw。大人になったってのは「老成した」って意味ではなくて「成人したての」って意味ですね。ホント、72歳でこんなに若々しい映画を撮れるのは、クリエーターとしては本当に凄いことなんだろうな、と。


以下、若干ネタばれしつつアンチ的な感想になります。これから観るかたの予断を避けるために畳んどきます。





上にも書いたけどこれまでの宮崎駿作品とはいろんな意味で違いましたね。芝居付けのぎこちなさがみられることもそうだけれど、脚本の練りこみが足りないというか、見切り発車というか、主人公のモデルで零戦開発者の堀越二郎の話に、堀辰夫の「風立ちぬ」「菜穂子」を組み込んだってのはわかりますが、尊重するあまり「つぎはぎ」状態になってるように感じました。堀辰夫パートを入れる必要あったのか?無くても、あるいはもっと実際の二郎のエピに沿った形でも話は成立したと思いますけれども。(実際の二郎のエピは詳しく知らないけどね)

映像表現は相変わらず素晴らしかったんですけどねー。関東大震災のシーンなんか、一瞬なのにゾワッとくる恐ろしさ。

それと、これも話題になった主人公役の庵野監督…さすがに…これにはビックリしたわ。当然だけどすごく素人。合ってないかといわれれば確かに「合ってる」けれども、子役とのギャップありすぎです。子役のほうが上手いです。他の主要キャストも俳優でしたけど、さすが発声の基礎ができてるから全然上手い。せめてもうちょっとなんとかならなかったのか…。まあ確かに「浮いて」たので、それは狙い通りなのかもだけれど、違和感異質感のほうが目立ってしまいました。

あと、本編とは全く関係ないですが、日テレ番組での持ち上げっぷりが気持ち悪かったです。まあたぶん自分が本作にそこまで入り込めなかったからかなとは思いますが、感情的すぎる持ち上げはちょっとね…。