hebiashi diary

てれび見の記録など。

ふたつのスピカ#14

「大人はどうしてみんな悲しい顔をしてるんだろう…」
昔、中坊だった頃。電車通学をしていたのだけど、周りはみんなサラリーマン、お勤めの大人ばっかりだった。彼らを見て、当時の私は「悲しい顔」とは思わずに「なんでみんなこんなに楽しく無さそうな(生気のない)顔をしてるんだろう…」と思ったのでした。
大人になった今となれば、かれらがどうしてそういう表情なのか、アスミが「悲しい」と思うような表情なのか、とてもよくわかる。わかりすぎて苦笑いしてしまうくらいだ。


というわけで、佐野先生は思いがけずの退場。あんな弱弱しい笑顔で去っていくことになってしまうとは。でも、アスミが図書館で見かけた笑顔、あれはいい笑顔だったなぁ。

大人になったからといって、忘れてしまうわけではないんだ。ただ、心にほんのちょっと蓋をして、意識から切り離しているだけなんだ。そうしないと生活をやりきれないこともあるし、痛い思いをしてしまうこともある。
でも、「それ」がないと、「それ」があるおかげで、生きていけるし、生活を送っていけるとも言えるのだ。時々、宝物のように出して眺めて、あるいは冷蔵庫の隅で既に正体不明と化している食べ物のように異臭を放つのをわかっていながら捨てられず(この場合は捨てましょうねw)恐々覗いたりするのだ。ひょっとしたらそこから突然変異したナマモノが飛び出してくるかも(「闇夜のヘヴィ・ロック」@カウビ)しれないが、それはそれでまた面白いけれども。

願わくば、佐野先生が再び夢を手にすることを。だってあの笑顔のほうが数段、良かったもの。