hebiashi diary

てれび見の記録など。

未来少年コナン

先日までETVにて再放送されていた本作、ついに「大団円」を迎えました。
感想は書いてなかったけど、ずーっと追っかけてました。私は年寄り(笑)なのでアニメでコナンといえば「名探偵」ではなく「未来少年」をまず連想してしまいます。自分が子どもの頃見た本作がどれほど面白かったのか、大人になった自分でも楽しめるのか、もう一度確認したいなぁと思ってたところへのありがたーい再放送でした。


で、やっぱり、面白かった。主人公コナンのブレのない単純明快さ、不言(有言のときもあるが)実行ぶりは最近の作品にはなかなか見られないものです。コナンと親友ジムシィの理屈抜きの友情にも、ええかげんな大人代表みたいな、でも意外と頼りになるダイス船長にも、コナンをとことん信じぬくヒロイン・ラナの存在にも、時として笑い涙腺を緩ませ胸がいっぱいになったのは、やっぱり変わらなかったです。
表現や各種デザインなどが今見るとレトロモダンというか古臭いのですが、そんなところも味ですね。


もちろん、「作品そのまんま」を受け取ってた子どもの頃とは違って、多少なりとは批判的な見方もしてしまいます。なんと言っても子どもらがあまりにも理想的で健康的過ぎること、その心があまりに強いこと。ラナは典型的な宮崎ヒロイン(守られて待って信じる役)だなぁとか、レプカという悪の描き方は面白いのにその動機の描写が物足りないとか、やっぱり「左」っぽいなw、とか他にもいろいろ。


でも、本作の根本的なすごさというのは、さして奇抜な展開はないのに次回が気になる構成の巧みさ、つまり「連続アニメであることの面白さ」を提示し続け、なおかつ最後に胸のすくような最終回を用意できたことではないかと思うのです。
きちんとした「おわり」のある物語、これは最近の子ども向けアニメには本当に少ないですよ。というのも今のキッズアニメはキャラクター商品や番組関連商品の販売とは切っても切れない関係にありますから、人気のある作品を簡単に終わらせるわけにはいかないんですよね。(そうなると、放送したのがNHKだったというのも大きかったのかもしれないですね)

それからもう一点、これはもう書く必要はないのですが、言葉でなく動作に語らせること、つまりアニメにおける芝居付け(演出)の効果、これも際立っていたと思います。
というのも、コナンやラナ、ジムシィはどちらかといえば屁理屈を言わない口数の少ない子どもたちです。必要なことを必要最低限だけ喋ってる。でも彼らの手先、足先、髪の先に至るまでの動きや表情にはなんとも豊かな感情表現があるので、こちらにちゃんと伝わってくるんですよね。


子どもの頃にこれ(や一連の世界名作劇場における日本アニメーション作品の黄金期)を体験してしまってる自分は、(アニメ的には)贅沢な味を与えられて育ってしまったということかもしれません。※現在の「宮崎駿」人気は対象年齢層が幅広いのが特徴ですが、2〓30年前の名作劇場による刷り込みが大きく効いてるのかもしれないと今思いました(笑。